大学時代の再来

大学時代の再来 早期退職

早期退職してひと月ちかく経ちました。眠くなったら寝て、自然な目覚めで起床する。これだけで「やすらかな幸せ」を感じます。「セロトニン的幸福」というやつでしょう。
自由にできる時間はたっぷりある。今日なにをするか、なにをしないかを選択する自由もある。
「この感覚、なんか懐かしいかも」と思ったら、かつて経験していました。大学生時代です。

とはいえ大学時代の10代後半から20代初めという青年期には、それなりに悩みもつきないものです。しかし、いまは60歳手前、堂々たる老年期です。「二十歳の原点」とか「実存的不安」などという一過性だったり抽象的な思春期特有の悩みに煩わされることはもうありません。
大学生は4年間のモラトリアムが過ぎたら未知の「社会」に飛び込まなければなりません。当時は「期待と不安」が交差する不安定な心境だったことを思い出します。でも、もうこっちは「上がり」です。
かつての「彼女が出来ない悩み」も、卒業間際にゲットした”年上の彼女”は一緒になって30数年、もう一足先に還暦すら超えました。
「自由はあるけどお金はない」のが大学生ですが、奨学金という未来の自分に借金しました。
早期退職計画でも同様に、「自由はあるけどお金はない」未来の自分に仕送りをしました。仕送り(未来の自分からの借金は奨学金。老後資金は過去の自分からの仕送り。)
そして65歳になれば、過去の自分が収めたお金をもとに国が最期まで面倒を見てくれる年金が待っています。


大学時代には実家からの4万円の仕送りと4万円の日本育英会の特別奨学金、さらに家庭教師に、医学学会の会場運営のアルバイトにと、時間単価が高くて面白い仕事を選びました。どれもよい思い出です。
一方で当時の支出ですが、窓から嵐山が見える学生寮の家賃が1万5千円、学食をメインに栄養バランスにも気を遣いつつ、飲み会に喫茶店にと、とくにガマンすることもなく月間5万円くらいで生活できていました。余剰資金で服を買ったり旅行に行ったり、友人から中古車を買ったりと月額10数万円で実に豊かな生活を送っていたと思ます。おかげで「友情」「恋愛」「アルバイト」といった大学生の必修単位も取得できました。

そして、いま過去の自分からの仕送りを崩しつつ生活しています。早期退職計画ではX dayを早めるために最小限の生活費をベースにしています。ですから友人と飲んだり遊びに出かけたりするには、別途小遣いを稼ぐというルールを自分に課しました。「遊びたければバイトしろ」というわけです。

リタイア後の生活は大学時代の再来!

この3年間、複数の転職サイト、アルバイトサイトから毎日のように仕事を案内するメールが何通も来ます。そのなかには遺跡発掘という面白そうな仕事もありました。ただし、出てくるのは一時的なもので、その後継続して出てこないことから、見つけたらすぐに応募しないとチャンスは回ってきません。現在は、資格試験の監督・会場運営のバイトを始めました。昔やったコンベンションサービスのバイトのように友達もできるし、チームワークで無事に運営する達成感もありすっかり気に入りました。

大学生はバイトや遊んでばかりいたら単位を落としてしまいます。学生の本分である勉強もおろそかにはできません。リタイア後は単位取得は不要ですが、その分気楽に勉強をすることができます。

Ggacco  無料で学べるオンライン講座
いい時代になりましたね。大学の講義をネットで体験できます。聞き流しではなく講座ごとに登録します。レポートの提出や、参加者同士でその添削をしたり、講義によってはオフラインのゼミもあります。放送大学が既存の大学の放送版という新鮮味がない一方で、こちらはネットの特徴を活かした次世代の教育のありかたを予想させるプロジェクトです。

大学の聴講生という手段もあります。禅宗、とくに臨済宗に興味があり花園大学の聴講生も考えていますが、現在はコロナの影響で募集停止しています。

ハローワークの職業訓練もIT系のコースがあります。ただし週5日の4,5ヶ月みっちりやるコースなので、いまのところは見送りです。

YouTube、これもすごいですね。第二種電気工事士の実技の勉強ではお世話になりましたが、思いつくたいていのテーマについて、なんらかの講座があります。エンタメや音楽ばかりではありません。

家事手伝い、読書に映像コンテンツ、バイトにハローワークにと、することがたくさんありすぎて、仕事なんかしている暇がありません。

ここまで読んで、老年期にいまさら勉強なんてと思っていませんか?
黒川伊保子の『成熟脳:脳の本番は56歳から始まる』を読むと勇気づけられます。
著者は人工知能の研究者です。人間の脳のはたらきをコンピューターに真似させるには脳のはたらきを明らかにする必要があります。そこで脳の研究から得られた知見を本にしています。
「妻のトリセツ」で有名ですね。TVでもときどき見かけます。
ヒトの脳の一生は7年ごとに段階を経ていくらしいです。14歳までにおとな脳へと成長し、28歳くらいまでが入力系のピークです。学校での勉強や仕事を覚えたりと、とにかく覚えることがたくさんありました。入力系と出力系はそのまま連動していませんから、知識が増えたからといって、人と話すときに話題がそのまま豊富になることはありません。

大学時代には「話すべき言葉」がなかなか出てこなくて自信が持てませんでした。気のおけない仲間同士のバカ話しならいざ知らず、誰とでも話せて、話題を繋げたり広げたりという技は、生来の言語能力の高い人の特技だと思っていました。
ところが著者は、こうした出力系のピークは56歳からだというのです。
本の中のテーマを列挙します。
『・・・もの忘れは、老化ではなく進化である/四十代に共通の悩み/デキる四十代を待ち受ける罠/パワハラを防止することば/ディープなもの忘れ/世界中のおばあちゃんが陽気な理由/「五十の手習い」の心得/五十代、本質を知る脳/誰もが人生の達人になる/六十代、理由の要らない納得/六十〜七十代は、旅と習い事の好機/老人は頑固でせっかち? とんでもない! /人生の師/もう一闇くる/アラウンド八十の底力/九十代、人類の宝/脳は、寿命を知っている』
既成概念を覆す面白さで、これから歳をとっていく者にとって勇気を与えてもらえます。

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